偏屈の家

偏屈夫婦が建築士さんと家を建てながら考えたことを記録します

敷地に対して家を45度傾けてみる

子どもの頃の話です。henkutsuの家の表札(ひらがな)を見た占い師が「これは画数が悪い苗字です。祈祷させてください。」としつこく言ってきたことがありました。そのしつこさにキレたhenkutsu父が、表札をマジックで書きなおしました。たとえば、henkutsuの苗字が「たなか」だとしたら「た」に点をつけて「だなか」にしてしまいました。しつこくせまる占い師に父は「ウチはたなかとちゃう。だなかじゃ、ヴォゲー。よー見んかい。」と言って追い返しました。

次の日からクラスメイトに「なんで、だなか君なの?」と聞かれて困りました。

 

なんで、こんなどうでもいい昔話をするかというとですね、henkutsuの家は、土地に対して斜めに建てようとひらめいたんです、私が。建築士さんも乗ってくれたんですけど、父は「そんなん変やで、おかしい。近所の人から変な人やと思われるで。」と反対の様子。こんなおかしな父がおかしいというんだから物凄くおかしいプランなのだろうか?それともおかしい人がおかしいというから、まともなプランなのだろうか?

 

ネットで探してみると案外斜めに建ててる家はありました。ちょっとホッとしました。

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https://gotokota.com/wp/wp-content/uploads/2019/11/DSC_192811%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.jpg

これは後藤耕太さんという建築士さんのご自宅だそうです。HPより画像を拝借しました。

henkutsuが斜めにしたかった理由はいくつかあります。

1.公園の緑を借景にできる

 先日もお話ししたように、窓から緑が見えてほしいというのがhenkutsuの希望です。丁度斜め前に公園がありまして、桜や楠が植わっています。

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東隣は家が建っているので、道路と平行に家を建てるとせっかくの公園の緑を家の中から見ることはできません。家を斜めに建てることで、春になると、食卓の窓から桜の木が見えると素敵だろうなと考えたわけです。

2.南側の家と対峙しなくてよい

南側にバーンと窓を取りたいのですが、南側には境界線ぎりぎりまで家が建っています。それも、横溝正史にでてきそうな厳めしい古い家です。苗字なら「鬼頭家」とか「大道寺家」が似合いそうな家やな。

ですから、リビングからそんな家がデデーンと見えるのは避けたいわけです。ちょっと斜めに家を振ることで、henkustuの視野に余裕が生まれそうな気がします。それと、窓から土地の境界線まで距離を取ることができそう(ちょっとでも庭が広く見えそう)な気がしたからです。

3.庭がいくつもできる

家の角で仕切られることで、庭がいくつかのスペースに区切られます。芝生(芝ではなく、クラピアにする予定)な場所、家庭菜園の場所を別々に配置できるので、ゴチャゴチャしなくてよいかなあという気がします。

こんだけ考えたんですけど、外構にかけるお金はほとんど残っておりません。どうすんだろね。

 

検索すると、斜めに建てるメリットとしては、完全に南向きではないということは完全に北向きの場所もないということ。つまり、家の中で一日中まったく日が当たらない場所はないということだそうです。お隣さんと目が合いにくいことや庭が広く見えることなども挙げられており、あながちhenkutsuの考えも間違ってはなかったようです。

 

でも、近所の人がどう思うかはわかりません。「変な家建てとるなあ、きっと変な住人なんだよ。」とか思われたらどうしようとか心配したこともあったんだけど、よく考えてみたらhenkutsuは偏屈なので、家の向きを道路と平行にしたとしても、遅かれ早かれ変な人だと気づかれるだろうから、まあどっちでもいっか、ということになりました。

あとは、風水オタクの人が魔除けとか売りつけに来ないかを心配するばかりです。「セールスお断り」のプレートを玄関に貼っておこうかな。

それでは。