偏屈の家

偏屈夫婦が建築士さんと家を建てながら考えたことを記録します

間取りについての建築士さんとのやり取り

当たり前のことですけど、注文住宅って言うのはゼロ(何もないところ)から作り始めるわけです。

有名な建築士さんに頼むのなら雑誌とかに載っていたりするので少しは素人なりにイメージもできるのかもしれませんけど、施主の方はどうやって自分のイメージを建築士さんにお伝えしているのでしょうか。henkutsuはうまく自分のイメージを伝えられず悶々としておりました。

今日は、どんな家に住みたいかをうまく伝えられない身もだえの軌跡を振り返ってみましょう。

1.間取りがおしゃれなうどん屋に見えた件

最初に間取りを作ってもらって、見せてもらうときってすごくドキドキするんですよ。「え?どんな感じやろ?」「きっと意表を突く展開なんじゃないの?」前の日から興奮して、遠足前の子ども状態です。ちなみに、子どもの小学校では「遠足」という言葉はないそうです。「見学旅行」っていうんだって。知ってたあ~?

で、間取りを見た印象。

「ふ~ん。おしゃれなうどん屋

なんでそう思ったんだろう。立体模型もないし、絵を描いてくれたわけでもないのに。なぜか、henkutsuの頭の中に見えているのは「うどん屋」。これぞ、イメージの偏り。妻に話しても到底理解してくれません。「私、間取り図とか見ても、何も頭に浮かばない。で?って感じ。」これはこれで、イメージの損傷。

最初に見せた雑誌の切り抜きが良くなかったのかも。和モダンみたいな家に住みたいと思われたのかもなあ。って、和モダンって何?これは、方針転換や。

2.うどん屋よりはカフェかなと思い始めた件

建築士さん、お店も手掛けてるとか言ってたなあ。ならば、うどん屋に寄せられるよりは、カフェに寄せてほしい。いやいや、住居建てるんでしょ、お店じゃないでしょというツッコミも理解はできますが、何度間取りを書き直してもらってもうどん屋だったので。この建築士さんはお店のほうが得意分野なのかなって勝手に決めつけました。

 

henkutsuの好きなカフェ。好きというよりは何時間でも入り浸れるカフェ・・・・。。おー、あったじゃないか。大阪、箕面のsalon de the JOURMERサロンドテジュールメルさん。

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このお店、撮影禁止なんです。で、このお店を設計したsunia incさんという事務所のHPから画像を拝借しました。

これを作ってというんじゃなくって、こんな印象の家にして。ね、お願い。

最近気が付いたんだけど、このお店の写真から建築士さんは「アンティーク」を読み取ったようです。

henkutsuが感じているのは「心地よい静寂」。

妻に話すと「だって写真やん。そりゃ家具を見ればアンティークって思うでしょ普通。写真から音は出ないですから。」だってさ。

イメージを伝えるって難しいんですね。

このイメージの違いに気づいたのは何気ない世間話から。「あれ、もしかして、イメージずれてない?」って感じがするので、そこをテコにしていきました。細かいことが気になる右京さんみたいなもんやね。でも、それに付き合ってくださる建築士さんで本当に良かったです。ありがとうございます。

3.窓から見える緑が気になる件

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henkutsuにとって窓から見える緑はめっちゃ大事なポイントなんです。自分がこれが大事なポイントだということに気づくまで時間がかかりました。みんな、それが大事だと思っていると思っていたので話すようなことでもないと思ったんですよね。でも、価値観は人ぞれぞれ。

「おしゃれなうどん屋」の理由が少しわかったような気がします。町中のお店は外の景色があまりないので、店内の装飾などにはとても気を使っています。この建築士さん(およびhenkutsuの妻)は中の装飾に焦点が当たる人だったんです。henkutsuは窓から見える景色が気になる人だったんです。部屋で過ごすときの視線の持って行き方が違うから、ピンとこなかったんだということに気が付きました。(これは外構屋さんに話を聞きに行ったときにひらめきました。外構屋さんとはすごく話が合ったからです。外構屋さんは窓からどんな庭が見えるかを気にしますから。)

そこで、henkutsuがしたこと。打ち合わせを家を建てる土地でしてもらいました。「この景色をみえるような間取り、逆にこの景色は見えない間取りにしてほしい」と現場でお伝えしました。文句も言わずにその土地まで付き合ってくださる建築士さんでよかったです。これまたありがとうございます。

 

henkutsuの仕事の師匠筋にあたる人が「100%理解してくれる人はいない。でも0%の人もいない。みんな、その間のどこかにいるわけだから、伝わらないことにがっかりすることはないんです。でも、伝えるのを諦めるのはよくないことです。」と言ってました。まさに金言。

それでは。