偏屈の家

偏屈夫婦が建築士さんと家を建てながら考えたことを記録します

リビングのテレビ問題

建築士さんから帰り際にアンケートを渡されまして、家の希望などを書いてきてほしいとのことでした。

そのころから1年たったいまだから思うんですけど、家の希望はまず大きなコンセプトみたいなものを決めておくほうが良いと思います。henkutsu夫妻は細かいことばかり気になりすぎて、家の全体像が建築士さんに分かりにくかったのではないかと反省しています。というか本人たちもこの家の方向性がよくわかっていなかったように思います。

アンケートにも間取りとかしつらえのことに関しての質問があるのですが、それよりは「どんな風に暮らしたい?」とかざっくりした質問のほうが、もっとじっくり考えたのかも、って完全に人のせいにしています。

 

夫婦ともども、すごい細かいところから希望を書き連ねていました。今回は旦那編。

 

そのころ、最も気にしていたのはリビングのテレビ問題でした。

リビングのテレビってなんか(-ω-;)ウーンって感じがありまして・・。雑誌でも大体のリビングにはテレビがあります。豪邸ならめっちゃでっかいテレビとか。でっかいテレビってどうなんですか、このご時世。henkutsuの学生時代はテレビって流行を占っていたところがあってですね、henkutsuは大阪出身なんですけど深夜番組とかCMとかこれからきそうな芸人とか俳優とか出ていて「あたいは陣内がコンビ組んでた売れない時代から応援してたんやから」というのが楽しい時代でした。いま、テレビどうですか?不倫がどうのとかで2時間くらい討論したり、やっとCMかと思ったら「秋田県在住の73歳山田ヨネ子さん、この青汁を飲んだら、うんこがどっさり」とか、知りたくないよ、そんなこと。築40年のボロアパートでもおしゃれな邸宅の素敵なリビングでもこの番組とこのCMは平等にやってくるわけです。

なんでこんなことを熱く語るかと申しますと、henkutsuの思春期のお話です。

素敵なお屋敷に住んでいる友人がいまして、子ども部屋に専用のシャワーなんかあったりして、「すごいなあ」って思ってたんです。ある時、玄関からお邪魔してリビングを抜けようとしたときに、上品なおばあちゃんがご丁寧にあいさつしてくれてたんですね。テレビが丁度再放送の2時間ドラマでして、本当に運悪いことに「混浴露天風呂殺人事件」だったんです。ご存じ?あーそうそう、あの古谷一行のあれですよ。サブタイトルは「美乳ギャル奥信濃秘湯巡り」だの「世紀末!リストラ刑事とパラパラ温泉ギャル」とか、それ以上でもそれ以下でもない番組です。

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引用:エルペディアより

とりあえず古谷と火野正平が温泉に入って、艶系女優みたいな人がキャーとか言うシーンが随所に無意味にふんだんに取り入れられております。

この上品なおばあちゃんとのやり取りの中で、このお決まりのシーンになったらどうしよう、CM前にぜったい来るよね、あーもうすごい気まずいやん、誰か誰かテレビのリモコンを持っている人はいませんか、ってなるじゃない。会話どころじゃありませんよ。その苦い思い出が、私のリビングのテレビ問題を再燃させます。

ホテルとかでテレビを家具で隠せるようになっていたりますが、あれはあれでダメです。隠されると余計に気になります。この家具の後ろには火野正平が、とか考えるだけでいてもたってもいられません。

これを妻に話しても、何の理解も得られないわけです。

そこで、私の一番の希望は、間取りを下の図のようにすることです。

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ダイニングとリビングをずらすことで、テレビがダイニングから死角になります。客人はダイニングでもてなすようにします。つまり、ダイニングが公的な場所、リビングは私的な場所と使い分けるようにゾーニングしたいと考えます。どうでしょうか、このプランでリビングのテレビ問題は解決できるのではないでしょうか。

それでは。