偏屈の家

偏屈夫婦が建築士さんと家を建てながら考えたことを記録します

廃墟の主

今年の6月の出来事

 

恐れていたことが現実になりました。

それはある1本の電話から始まったのです。

へ「もしもし」

男「あの、henkutsuさんのお電話で間違いございませんでしょうか。私、〇〇市役所のものです。」

へ「あ、はい、なにか。」

男「××町のお家はhenkutsuさんの所有ということでよろしかったでしょうか。」

へ「はい、そうですが、どうかしましたでしょうか。」

男「近隣の住民の方からご心配のお電話が来ておりまして」

へ「え?」

男「お家が立っていますよね?」

へ「はい」

男「家が崩壊しそうなので、台風シーズンが来る前にどうにかならないでしょうかとのことです。」

 

あー、やっぱり来たかあ。

去年の12月に契約したときも、不動産屋さんからは「絶対家に入らないように」と言われていたんです。

怖いもの見たさで一度侵入したんですけど、

「すてき、家の中なのにお空が見える!」な状態でした。簡単に言うと屋根が崩落してる箇所がございます。

台風が来たら瓦の20枚や30枚飛んでいくかもしれませんし、何なら家ごとドリフみたいに飛ばされるかもしれません。

近隣住民としては一刻も早く解体してほしいのではないでしょうか。廃墟ホテルとか高さ何十メートルの観音様みたいな危険建造物の扱いです。

henkutsuは今やそんな廃墟の主なのでした。

苦情、来ますよね、そりゃ。

市役所の人も気を使って「ご心配のお電話」だって。そんな言い方があるんだね、覚えておこう。ラーメン屋で文句言いたいときなんか「汁の中に虫が入っているんですけど、虫がこの中では泳げないのではないかと心配しております。」とかいえばいいんかな。

それはどうでもいい。

家を建てる前から、近隣住民と摩擦が起こるのを極度に恐れるhenkutsuは早速、建築さんに電話して、解体屋さんをお願いしました。

実は不動産屋さんも解体屋さんの見積もりを以前とってくれていました。建築士さんに「この見積もりより安くなりますか?」と聞いたら、見積もりより5万円安い見積もりが出てきました。

henkutsuは疑り深いので「ほんまはもっと安くできたんちゃうか?」と思いましたが、小心者なので黙っておきました。

 

2週間後に解体することに決まりました。

解体で学んだことが二つあります。

覚えといてくださいよ。解体までにしておくこと。

1.解体の補助金

 近年の防災意識の高まりから、自治体によっては家屋解体の補助が出ることがあります。henkutsuの住む市ではブロック塀解体の補助ということで20万円の助成金が出ます。解体寸前にこのことを知ったhenkutsu一家。金がかかっている時の動きはめちゃめちゃ早いです。ほとんど家から出る事のない妻がこの時ばかりは自転車で市役所と家を行ったり来たり何往復かしたらしいです。1kg痩せたそうです。補助金ダイエット。

申請するまでの期間がほとんどなかったので、時間との戦いでした。妻さん、ありがとう。解体屋さんがそういう情報を教えてくれるわけではないので、解体前には余裕をもって自治体のHPを読んでおきましょう。

2.解体前のご挨拶

解体前に、近所にご挨拶です。

ご挨拶の品物、何がいいんでしょう?

住民の年齢層は高めだと思われます。20代30代は住んでないと見当をつけました。自分たちより年齢が高いわけなので、できるだけ「かたぎの人間」だと思ってもらうようにしたいと考えました。

この町で唯一の老舗デパートの包み紙の品物を渡すことが安心・安全をアピールできるだろう、という実にせこい手口で出ました。

結果、みんないい人ばっかりでよかったです。市役所に電話された方から「実は電話したのは私なんです。急いでもらってごめんなさいね。」と言ってもらえました。

大人しく生活しますので、どうぞ皆様よろしくお願いします。私たちは珍獣ではありません。

 

そして、ついにあのジャングルが

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伐採されて

廃墟が解体されて

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(どうでもいいことですけど、家の基礎がブロックって・・・)

そして、更地になりました。

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更地になって初めて、ここに家を建てるんだって実感できました。

時系列は反対になりましたが、先日の地盤調査も問題なし。

土地には問題なし、と思っていたのに、まさかまさかの問題発生がありまして、明日建築士さんが「お話ししたいことがります」とのこと。

それもあって、今日は解体話にお付き合いいただきました。明日の打ち合わせ内容につきましては、またご報告いたします。

それでは。